DAW完結の音楽制作にて、最も「差」が出る要素がこの「リアンプ」だ。
オールデジタル完結が可能な現在、アナログ卓に音を通しながらMIXということは無くなった。アナログの味付けをするにはプリアンプ、コンプ等のアウトボード類を使用するのが主流だ。
ここからは全くの主観で話す。現状主流となってるルーティンを否定する話にもなる。
先日、マイクテストをとある楽器店協力の下、アウトボードをも含めたオーディを比較を行った。プロツールスRecの前にFocusriteプリ、NEVEプリ、NEVE-EQジェネリック、1176コンプ等の音変化を比較しながらノイマン、Blue、Luwitteなど複数のマイクテストを行った。
ずばり、単体アウトボードは音が暴れて荒れる。元気が出る、存在感が増すといった言い方もあろうが、悪い言い方をすれば「混ぜる前提としてのアナログ変化になっていない」となる。
最近の楽曲MIXが余剰にアナログライクな飽和感を演出したり、音圧に押されてパート輪郭が滲む、もしくは歪んでいるものがある。最悪はリアルに音が割れているものさえもある。
デジタルだからこその限界まで追い込むがゆえの弊害なのか。
以前にも同じ楽器店にて同様のマイクテストを行ったことがあった。そのときには英国の「TOFT AUDIO」ミキサーをマイクのプリアンプにしてテストした。このミキサーのプリが上記の全てのアウトボードよりも上質だった。この記憶は時間がどれだけたっても確信に変化はない。それだけ「TOFT AUDIO」のミキサーマイクプリが素晴らしかった。上品で艶があり繊細さも交えながら存在感が増す、そしてなによりも音の輪郭が「滲む」という決して好ましくない変化には絶対にならない。
この経験から、アナログの味付けはミキサープリ主体にてで行うべきなのではという疑念がずっとついて回ってきている。NEVE系のアウトボード偏重主義が過剰になっている現況に警鐘を鳴らしたいのだ。
そして、タイミング良くSoundcraft 200を入手し、そのサウンド方向がまさしく「TOFT AUDIO」のベクトルに近いことを確認してますます確信にかわった。
あくまでもSoundcraft 200のプリによるアナログ付加をメインにして、サポートでONYX1220、そして仕上げにライントランスでのフレキシブルなオーディオルーティンができるようなシステムを構築したい。