WWDC2020のDTMに与える影響を考える[1]


皆さんおはようございます。昨日、 WWDC2020が発表されました。近年ではまれに見る革新的な内容でした。
作曲家として、WWDC2020の内容がどう音楽制作/DTM環境に影響を与えるかと言うのがとても大きな問題だと思います。

そこで、WWDCの内容を振り返って、今後のDTM環境がどうなっていくかを詳しく考察していきたいと思います。

もうすでに、いくつかの団体や個人などは、今のインテルMacを買うべきか、新しいARMアーキテクチャ/Apple siliconのMacを待つべきか議論となってますね。

もちろん新製品が出てみないと答えは確定しませんが、ただ指を咥えて待つよりか、今までのアップルの流れから対策を講じておいて変化に備えておくというのが実利に沿うというものです。

WWDC2020の内容を諸々考察する前に、

「アップルとはいかなる企業か」

という大前提を押さえておくことがまず必要です。単に、WWDCの内容から未来を探るのではなく、今までアップルがどうイノベーとを重ねてきたのか、その理念は何かをしっかりと押さえなければ考察の精度が出ません。そこで過去を振り返って、特にアップルでの大きな革新を確認したいと思います。

「決して過去を振り返らない」

アップルを語る上でのとてもおおきな特徴です。ここをまずしっかりと押さえないと、今後の変革への対応を誤ることになります。

1. ジョブスの復帰後
いまのアップルブランドが大きく確立するきっかけとなったのが、ジョブズが復帰して出した1998年「iMac」でした。目を見張るデザインはもちろんでしたが、新規格「USB」のみを搭載したことでした。

・SCSI  ・シリアルポート  ・ADBポート  ・フロッピーディスク

それまで搭載されていた上記インターフェース規格はさっぱりと排除され「レガシー」と見捨てられました。以後、新製品で復活することはありません。当然、それらのレガシーメディアは買い換えを余儀なくされました。

2. PowerPCから IntelMacへ
2006年にそれまでのモトローラ製PowerPCチップから Intel製に変更されました。旧PowerPCアーキテクチャのソフトもそのままIntelMacで動くように内部エミュレーション機能「Rosetta」が搭載されて、しばらくはダブルで動いていましたが、2011年のMac OS X Lionから廃止されました。ソフトウエアメーカーは IntelMacネイティブに強制的に舵を切られ、この時対応に遅れたメーカーは衰退の一途となりました。

WWDC2020でのARMアーキテクチャ/Appleシリコン製(Aチップ)搭載の新製品発表はこのPowerPCからIntelMacへの変更時の各種会社等の対応と状況が大変参考になるでしょう。

しかしながら、大きく違うことは、今回のARMアーキテクチャ/Appleシリコン製(Aチップ)搭載Macは、その開発に10年以上の実戦経験が付加されていると言う点です。iOS製品群は初めからAチップを搭載しており、iPad等の製品群で熟成を重ね、満を辞してのMac搭載です。「Rosetta2」の発表がありましたが、2005〜2011まで続いた初代「Rosetta」ほどには搭載期間が長くないと思われます。

3. CDドライブの廃止
2012年発表のMacBookPro RetinaからCDドライブが完全に廃止されました。以後の製品でCDドライブが復活することはありません。

これらアップルの断行をあげれば枚挙に暇がありません。今回のWWDC2020もまさしく「決して過去を振り返らない」レガシー規格/ツールの完全排除を宣言しているとみれば、今までのIntelMacがどのような運命となるかは自ずと見えてくるのだと思います。

そして、一番我々が気にする問題点

AチップMacは買いか、今後しばらく出るであろうIntelMacを買うべきか

については自ずと答えが導き出せるものと思います。

その考察については次回に続きます。

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